気仙沼・南三陸支部「早馬神社〜唐桑と鎌倉を結ぶ〜」


◆梶原景時ゆかりの早馬神社

 気仙沼市唐桑町宿浦にある早馬(はやま)神社は、昨年放送されたNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の一人、梶原景時の兄、梶原景実(かげざね)が建立し、その直系子孫が代々宮司を務める神社です。

 史実やドラマのとおり、源頼朝が鎌倉に幕府を開いた後、幕府内の政争で梶原氏、和田氏、畠山氏といった有力御家人が滅亡、没落していく中、世を憂いた梶原景実は鎌倉を離れ、辿り着いたのが唐桑の地でした。


◆御利益

 早馬神社は、安産・子育てに御利益がある神社ですが、これは梶原景実が鎌倉若宮(鶴岡八幡宮)の宮司を務めていた頃、源頼朝の妻、北条政子の安産を祈願し、無事に男子(二代将軍源頼家)が生まれたことに由来します。鎌倉幕府の公式的記録とも言える「吾妻鏡」にもそのことが記載されているそうで、現在も地元では安産祈願、七五三など子どもの成長を願う人々からの信仰を集めています。


◆2度の津波を乗り越えて

 早馬神社は震災とも関わりが深く、過去には慶長三陸地震においても津波で被災し、一度別の地へ移った後に現在の地へ遷座しました。東日本大震災での津波では、15mの津波により神社が被災しました。復旧した境内には津波到達点復興祈願碑が建立されています。


◆詩人 梶原しげよ

 生と死をテーマにした詩を生涯紡ぎ続け、数々の文学賞を受賞し、ローマ、ヴェネツィア、モスクワ等の名誉作家として国内のみならず国外でも高い評価を受けた女流詩人、梶原しげよは早馬神社の宮司の子として生まれ、唐桑の地で育ちました。神社の境内にはその功を記念したギャラリーが併設されております。参拝に併せて梶原しげよの詩の世界にも触れていただきたいと思います。


◆気仙沼・南三陸へお越しください

 唐桑と鎌倉、語呂が似ているなと何となく思っていましたが、史実で実際のつながりがあることは地元に住んでいながらも知りませんでした。「鎌倉殿の13人」をきっかけに地元でも認知度が高まっております。大河ドラマでは描かれておりませんが、800年前から鎌倉と当地は歴史的なつながりがあり、鎌倉武士の子孫たちが暮らしています。

 5月にはコロナが感染症5類になることに伴い、より一層お出かけもしやすくなることかと思いますので、早馬神社をはじめ、鎌倉とのつながりを感じ、復興した街並みをご覧になりに是非とも当地へお越しください。


◆早馬神社

気仙沼市唐桑町宿浦75

https://hayama.jinja.jp