今年も暑い夏がやって来た。梅雨明け前から全国的な猛暑が続き、35℃以上の猛暑地点は7月22日が288か所、23日が256か所となり、40℃に迫る「命に関わる危険な暑さ」となった地域もある。熱中症警戒アラートも40都道府県で発令された。仙台でも22日に36.2℃を観測し今年初めての猛暑日となった。また23日夜から24日朝までの最低気温は28.4℃と観測史上最も高い熱帯夜となるなど本格的な「暑い夏」の到来を感じさせる。
昨年は非常に暑い夏だった。昨年6月から8月の全国の平均気温が平年(1991年から2020年の平均)に比べ1.76度上回り、1898年(明治31年)の統計開始以来125年で「最も暑い夏だった」と気象庁が発表している。地域別では、北海道(平年プラス3.0度)、東北(平年プラス2.9度)、関東甲信(平年プラス1.8度)、北陸(平年プラス2.1度)、東海、中国(ともに平年プラス1.3度)など寒冷積雪地の温度上昇が大きくなっている。暑さに慣れていない地域の人間にとって昨夏の暑さは大変だった。
特に仙台では、8月の平均気温が28.6℃(平年プラス4.2度)、平均最高気温が33.2℃(平年プラス5.0度)、平均最低気温は25.6℃(平年プラス4.0度)などいずれも観測史上最高となった。
また、7月24日から8月11日まで連続18日間、一日挟んで8月13日から9月1日まで連続20日間、最高気温が30℃以上の真夏日が続いた。高温状態は日中に限らず、夜間の気温が下がらず最低気温が25℃以上となる熱帯夜が24日間とこれも観測史上最高を記録し寝苦しい夜を過ごした。9月に入ってからも暑さはとどまるところを知らず真夏日が15日、熱帯夜が5日など記録的な高温となり、昨夏の累計では。猛暑日7日、真夏日66日、熱帯夜36日と過去最多となった。
この原稿を描いているさなか7月23日に気象庁から8月から10月までの3か月予報が発表された。それによれば、太平洋高気圧が強く8月前半にかけては10年に一度の厳しい暑さとなる見込みとの予報になっている。8月から9月にかけては気温35℃以上の猛暑日になる日が少なからずあり、9月10月になっても高温傾向が続くとの見通しである。
自然現象なので避けようがないが、無理することなく、一層の熱中症予防対策を行って暑い夏を乗り越えるしかない。東京都23区の熱中症死亡者(令和3年)は、約8割が65歳以上の高齢者でそのうちの屋内死亡者の約9割がエアコン未使用と報告されている。高齢者は、①体内の水分が不足しがち ②暑さに対する感覚機能が低下している ③暑さに対する体の調整機能が低下している ことから暑い日は外での作業を控えるたりエアコン等を上手に使って暑さを避けること、のどが渇いていなくてもこまめに水分・塩分を補給することが大切である。
副会長 千葉 裕一