仙台西部支部「三本松緑地」


 我が家の2階ベランダから南を望むと、正面に県庁とドコモビル、左に台原タワーマンションと森林公園、右に小高い丘の三本松緑地が見えます。この三本松緑地も私の早朝散歩コースの一つです。今回は、この三本松緑地について少しご紹介いたします。

 県道仙台泉線の台原西友の裏手にこんもりと見える丘が三本松緑地です。緑地といっても標高93mの山頂まで散策路が整備されているだけの森です。南側入り口に案内板があります。車で来る方であれば、三本松市民センターの駐車場に止めれば大丈夫です。

 山頂には「枯れた木の株」「三本松」「東宮殿下御野立所(おのだちしょ)石碑」が柵で囲われております。そもそも三本松の地名は、かって松の幹の途中から大きな枝が三方向に伸びた松があり、伊達政宗が仙台城からこの地を眺めると三本松に見えたということから、三本松と名付けたと伝われています。確かに、ここからだとぐるっと360度仙台市内が眺望でき、右奥に天守台が見えます。昔は、周りの樹木も低く、もっと良くみえたことでしょう。

 石碑は、明治44年4月皇太子時代の大正天皇が本県を訪れた際、この丘に立ち寄り仙台市内を一望したとのことであります。恐らく、野外の休憩所として仮東屋でも建てたものと思われます。当時市内で高い建物が何もない中、ここから市内の景色を眺められたと思うと面白く思います。今以上に昔の行幸啓大変だったでしょうね。また不思議に思うのは、この石碑の建立が戦時中の昭和18年2月であることです。なぜこの時期だったのでしょうか。恐らくなんかあったのでしょうね。

 木の株は、マツクイムシで枯れたため伐採された先代の松の株で非常に大きな松であったことがわかります。真ん中の三本松は、後継樹として地域の方々が植えたものだそうです。
地形的にはこの三本松緑地は仙台川の源流でもあり、野草や野鳥など自然豊かな場所でもあります。これからの季節是非一度歩いてみませんか。

伊東 則夫