雑記帳第6回「年の初めに思うこと」


 会員の皆様、新年おめでとうございます。平成31年の幕開きです。今年は、わが国の歴史においては極めて珍しい例のようですが、年の途中での天皇陛下の御譲位が前年中から予定されており、その時点でいわゆる御代がわりとなります。天皇陛下は日頃数多くの御公務に当たっておられるのに加え、わが国の安寧と国民の幸福を祈る折々の諸行事にも努められており、1日24時間の中で御就寝中を除いてはほぼ100%のお時間を公のために尽くしておられる御存在です。
 私事になりますが、私は平成26年から28年まで年1回ずつ都合3回清掃奉仕団に参加し、皇居に入らせていただいたことがあります。 1回につき4日間に亘り皇居や赤坂御用地でいろいろな作業を行うスケジュールの中で、毎回必ず天皇皇后両陛下が我々奉仕団にお会いくださる時間が設けられます。正式の呼び名は分かりませんが、皇居内の比較的小さな建物の中で、当日作業中の数団体がまとまって両陛下にお会いし、団体ごとに両陛下からご下問があって、それに各代表が奉答する形で進行します。
 今でも強烈な印象が残っているのですが、両陛下がにこやかなお顔で建物の中に入ってこられた途端、涙が出て止まらないのです。私だけでなく周りの皆も涙を流しています。なぜ泣けるのかその理由は自分でもよく分かりません。あとでその時の心持を振り返ってつらつら思うに、全く私心なく全身全霊で公に尽くしておられる高貴なお姿からにじみ出るオーラが人々に自然と首を垂れさせるのではないかというのが私の一応の結論です。ご譲位後は平穏にお過ごしいただけることを心から願っております。
 ともあれ、今年は新しい年号で新しい時代がスタートします。内外ともに課題山積で先行きの見通しも不透明な中、ますます社会の高齢化の度合いが顕著になっていくことだけは確かです。勾当台クラブとしても会員各位の健康寿命の伸長に少しでも寄与することにより、これからの「人生100年時代」に的確に対応できるよう努めてまいります。前回(第5回)の雑記帳に書いた「女性会員等交流活動推進助成金」もそうした趣旨に発するものですので、ぜひ積極的に活用していただきたいと思います。
 なお、上記の皇居清掃奉仕作業は、本県栗原郡の青年団が昭和20年12月に行った皇居清掃御奉仕を嚆矢とするもので、本県とは深いつながりがあります。会員の中で御興味のある方は参加を検討なされてはいかがでしょうか。

会長 小林 伸一 記