雑記帳第16回「ありがとうございました」


前々回、前回に続いてで恐縮ですが、またコロナの話になります。
 わが国では7月からの第2波がこのところ漸く下火になって、なんとなくほっとした感がありますが、県内の状況をみれば、9月半ばになって過去最高の1日19人の感染者が県内各地で確認されるなど、むしろ拡大傾向にあると見られ、まだまだ手を緩めるわけにはいきません。全体として第1波のときと比較して、死亡率については低下傾向が窺われるものの、高齢者に限っては相変わらず重症化率が高いと言われています。
 わが国の感染拡大防止対策は、感染が確認されたときに感染症法に基づき就業禁止となる以外は、例えば営業制限にしても、外出制限にしても、諸外国のように法的強制力を以て実施されているわけではありません。それでも感染者数においても、死者数においても諸外国との比較においては好成績を上げていると言って差し支えないと思います。これはおそらく、わが国民の衛生観念とか生活様式とか、或いは共同体を尊重する意識とかのお蔭であることは確かです。今後さらに大きな感染の波が来たときにこれで対処できるかはよく分かりませんが、こういうわが国の文化はやはり大いに誇ってよいのではないでしょうか。ただし、そうであるが故に、政府、自治体のかじ取りは、微妙な匙加減を要する難しさがあるということになります。
 さて、前回の雑記帳の中で会員の皆様に呼び掛けた募金が、目標額100万円を大幅に上回る結果となりました。応募数も400件を超え、これも想定を大幅に上回りました。中には1件で10万円という金額もあり、本当に驚きました。実のところこれほどまで皆様から積極的なご協力を頂けるとは思っていませんでした。自分の不明を恥じるほかありません。なぜかくも篤いご協力を頂けたのか、おそらく皆様の心の中に、現役職員との一体感とか本県行政への連帯感、期待感がなお色濃く存在しているためではないかと推察されます。あえて言えば、かつて宮城県職員として仕事をした者の「矜持」にほかなりません。改めてこの勾当台クラブの存在意義を強く感じた次第です。
 今回の造成額につきましては、10月中を目途に県に寄附することにしています。新型コロナウィルスというわが国が、いや全世界がいまだかつて経験したことのない厄災に宮城県政の立場において確固として立ち向かうために、些かなりと我々の志が役に立つことができれば幸いと思います。本当に有り難うございました。

会長  小 林 伸 一 記