雑記帳第18回「転換点」


 4月になり、新年度に入りました。令和3年度です。1年をどういうふうに区切るかは、明確な原理・原則があるわけではありませんが、わが国の政府や自治体においては、4月から翌年3月までを1会計年度とする仕組みが長年続いています。とはいえ、これが定着するまではいろいろ変遷があったようです。明治初年は10月スタート、1月スタート、7月スタートと次々に変わり、4月スタートになったのは明治19年からとのことです。欧米各国では9月ないし10月スタートが多いようです。わが国で4月を年度替わりとする方式が定着したのは、たぶんこれが最もわが国の風土に合っているからではないかと思います。つまり、季節が冬から春になるとともに、桜を代表とする花々が一斉に咲き始め、人々の気分がパッと明るくなります。春という語が「張る」に由来するといわれるように、何事に対してもやる気が満ち溢れます。まさに物事に取り組もうという気持が改めて盛り上がる、そういう4月こそが新年度のスタートにふさわしいのだと思います。
 さて、昨年11月の理事会にご提案した令和4年度以降の本クラブの組織・事業の抜本的見直し案に関しましては、先月開催した役員協議会におきまして各支部からのご意見を踏まえ改めて論議した結果、概ね共通認識が形成されたように受け止めています。今後はなお細部について検討を加えたうえで4月の理事会にお諮りし、その後の定例総会を経てクラブとしての意思決定を行うことになります。ただし、その総会の在り方につきましては、皆様ご承知のようにいまや本県は全国に先駆けて新型コロナウィルス感染拡大第4波の渦中にありますことから、残念ながら昨年度に引き続き、今年度も書面開催の形をとらざるを得ないと考えています。4月の理事会後に速やかに全会員に資料をお送りし、賛否の確認をさせていただく予定としております。
 抜本的見直しのポイントは、会員への毎月のメールマガジンの配信、慶弔事業の見直し(長寿祝いの重点化)、総会に代替する代議員総会の制度化等です。これらの措置によって、会員数の漸減、コロナウィルス蔓延による活動の停滞といった本クラブに吹きつける逆風を前向きに乗り越えようとするものです。この「新勾当台クラブ」への脱皮は、令和4年度からを予定しています。ちょうどあと1年です。この間に、さらに多くのご意見や情報を加味し、より良い姿を描き、4年度を迎えたいと思っています。実はこの雑文のタイトルは「心機一転」にしようと思って書き出したのですが、まだ1年間の準備期間がありますので、ちょっと控えめなタイトルに直しました。しかし、この1年間はいわば「雌伏」の期間です。雌伏の後には「雄飛」があります。さすがに雄飛と言うのは些か大袈裟だとしても、会員のニーズに的確に応え、また、広く現役職員が関心を寄せるクラブを目指したいと思います。そして、会員各位のご協力があれば、決してそれは不可能ではないと思っています。

会長  小 林 伸 一 記