雑記帳第23回「人生いろいろ」


何代か前の首相が、国会答弁の中で「人生いろいろ」という表現で、質問者を煙に巻いたことがありました。別にそれに倣ったわけではありませんが、今回はいろいろな人生の機微を十七文字に託して詠いこむ川柳について、少々管見を披瀝しようという試みです。

 先日同年輩の知人から、数十句の川柳を並べた冊子が送られてきました。「シニア川柳」というタイトルで、その知人がこれまで触れた数多くの川柳の中で、特に感じるところがあったものを書き留めたもののようでした。シニアと銘打っていますので、年輪を重ねた人ならではの人生の喜怒哀楽を詠った川柳集です。内容的には、溌溂とした若かりし日々と比べて今の自分を茶化す自虐ネタがやはり一番多いのですが、ここでは「人生100年時代」とも言われる今を肯定的に生きる姿勢が垣間見える作品を取り上げてみたいと思います。厳密には「著作権」の問題もないわけではないのでしょうが、全く営利目的のないこういう場面でのご紹介ですから、万一著作権者がこれを目にしてもご容赦願いたく存じます。

〇まずは、年をとっても変わり得ないことを詠った1句

 喜寿だけど 恩師の前では 女子高生

〇年を重ねた故にこそ、昔の記憶がますます貴重になります。

 自分史が 増える追記で 終わらない

〇長年連れ添った夫婦も、定年を機に互いの関係性が変化します。

 期限切れ 犬にやらずに オレに出す

 うす味を 愛だと知った 40年 (こういう表現に触れるとほっこりします。)

〇健康は気になりますが、口だけは達者です。

 腰よりも 口につけたい 万歩計

〇年を経るにつれ、新しい世代との意識差がどんどん広がっていきます。

 その昔 恐竜見たかと 問う曾孫

 曾孫の名 読めない書けない 聞き取れない (日本語?と驚くこともありますね。)

とまあ、ほんの一部ですがご紹介しました。

 さて、今日から新年度に入りました。以前から会員の皆様にお伝えしてきたように、令和4年度から勾当台ラブは大きく変わります。ホームページも本日から全面的に衣替えをしました。いろいろな人生模様の中でいろいろな思いをお持ちの会員で組織するクラブです。全ての会員にとって人生の末長い伴走者となれるよう、これからも皆様とともに歩んでまいります。その趣旨から、この機を捉えて「人生100年時代のパートナーズ」なる標語を掲げ、創意工夫を重ねながらこの標語に恥じないクラブを目指してまいります。会員各位の変わらぬご支援、ご協力をお願い申し上げます。

会長 小林 伸一 記