雑記帳第31回「 熱中症 」


 小学生だった昭和30年代、朝から太陽が照りつける夏場の朝礼の後には、青い顔をした子どもが保健室に運ばれることがありました。校長の長い挨拶を我慢して聞いていた子どもたちが朝礼終了後にめまいや立ちくらみなどでその場に座り込む姿も見られました。
 当時は日射病とか熱射病と呼ばれており、身体の弱い子どもに特有の症状だと思っておりましたので、太陽が照りつける中、真っ黒になって長時間、外で遊んでいた野人のような自分には日射病は無縁だと思っていました。

 近年は地球温暖化の影響で暑い夏が多く、今年も全国的に猛暑となっております。
 テレビでは毎日のように「災害級の暑さ」「40℃に迫る暑さ」「今日も危険な夏さ」「猛暑観測地点が過去最多」「熱中症に厳重警戒」などとのニュースが流れています。
 消防庁の速報値によると、全国で熱中症の疑いで救急搬送された人は6月26日以降、週3,000人超と増加。さらに7月に入ってから急増しており、7月17日から23日までの1週間では9,190人が救急搬送されています。そのうちの5,195人が65歳以上の高齢者で6割近くが高齢者で占められています。
 熱中症は、めまいや立ちくらみ、吐き気や体のだるさなどの症状のほか、家族等の呼びかけに正常に反応できない意識障害や真っすぐ歩けないといった運動障害などの重篤な状態になることもあり、最悪の場合は死亡につながることもある怖い病気です。
 特に高齢者は加齢により暑さやのどの渇きに対する感覚が鈍くなり体温を調節する機能が低下するため症状に気付くのが遅れるので特に注意が必要と言われています。

 今年7月10日、田代島周辺に釣りに行った際に身体がちょっとだるくなり頭が少し痛くなりました。最初は船酔いかなと思ったのですが当日はベタ凪でほとんど波がない状態です。天候は曇りで時々雨そしてときおり陽が射す状況で石巻の気温は23.0℃~29.7℃でした。太陽が照りつけるわけでもなく気温が特別に高いわけでもなく、水分も補給していましたが、時折降る雨に備えて雨具を来ていたために体温が上昇して軽い熱中症になったものと思われます。健康だけが取り柄の野人もいつの間にか70歳。寄る年波には勝てず一人前の高齢者になったと自覚した瞬間でした。

 国連のグテーレス事務局長は「世界の7月の平均気温が過去最高となり、地球温暖化から地球沸騰の時代が来訪した」と発表しました。「命にかかわる危険な暑さ」という表現が大げさに聞こえない時代に入ったのでしょうか。今年はまだまだ暑さが続くようです。皆様には熱中症には十分に気を付けてお過ごし下さい。

副会長 千葉裕一