新型コロナウイルスの感染者が日本国内で初めて確認されたのは5年前、2020年1月15日である。ちなみに宮城県では同年2月29日に最初の感染者が確認されている。
これまでのコロナ感染者数は、昨年3月に厚生労働省が22府県を対象に実施した血液調査によると感染による抗体保有率が60.7%であり、昨年3月時点での感染者が約7,300万人と推計されている。また人口動態統計では、コロナ感染による死者数の累計が昨年8月時点で約132,000人となっており、このうち65歳以上の高齢者が96%を占めている。
日本国内の死者数は欧米諸国に比べると格段に少ないが、同期間のインフルエンザによる国内死者数が約3,600人であることから13万人以上という数字には驚愕した。
2019年12月、中国の武漢市で「原因不明の肺炎患者」が発生したと報告されたが、これが新型コロナウイルス感染症患者の第1号とされている。その後、感染が世界に拡大し、2020年3月にはWHO(世界保健機関)がパンデミック状態であると発表している。
日本国内でも徐々に感染が拡大し、オミクロン株による感染のピーク時には一日の新規感染者数が26万人を超えたこともあり、どこまで拡大するのかと不安になったことを思い出す。
いろいろと混乱はあったが、感染対策の浸透やワクチンの開発、有効な治療薬の発見などで、新規患者及び重症患者が大幅に減少したことから、新型コロナ感染症は2023年5月、感染症法上の扱いが2類から5類に変更された。しかし、高齢者や基礎疾患のある人が重症化しやすい状況は変わっておらず、引き続き感染対策が求められている。
1月28日放送のNHKクローズアップ現代では、昨年末からインフルエンザの患者数が過去最多になっていることに加え、コロナ、マイコプラズマ肺炎、感染性胃腸炎など他の感染症と同時流行が起きていると報じている。新型コロナ流行時にはコロナ感染対策が行われたことによって他の感染症も発生しなかったとのことである。感染症は新型コロナだけではない。重症化するリスクの高い高齢者の一人として自分でできる感染対策は十分に講じていきたい。自分が快適に生活するためにそして人に迷惑をかけないためにも。
副会長 千葉 裕一