雑記帳第15回「今できること」


前回に続き、新型感染症についてお話をしたいと思います。
4月7日に特別措置法に基づく初の緊急事態宣言が首都圏等の一部地域に発令され、その後間もなく全国に拡大されました。これによって国民の日常生活における外出や対人接触が大幅に制約されるようになりましたが、大型連休を挟んで5月に入ってからの感染の収束傾向を踏まえ、最終的に5月25日に緊急事態宣言が全都道府県で解除されました。とはいえ、県境をまたいでの移動や大規模イベントは引き続き自粛対象とされ、それらが順次緩和されながら、全ての行動制限が外れるのは8月1日以降となる予定です。
6月19日の都道府県をまたぐ移動自粛の全面解除以降も東京都では連日2~3桁に上る感染者が発現しており、それ以外の地域でもわが宮城県も含めて複数の道府県で断続的に感染者が出ています。今後の2次、3次の蔓延もかなり現実味を帯びています。世界全体では、6月末時点で累計感染者数約1,000万人、累計死者数約50万人に上り、未だ感染拡大のペースは上昇傾向にあります。こうした諸状況を考え合わせますと、今後の医療的対応の進捗度にもよりますが、我々は相当長期間に亘ってこのウイルスの脅威を意識しながら生活していかなければならないことは明らかです。前回の雑記帳で、私は図らずも「国難」という言葉を使いましたが、改めてこれは決して大袈裟な表現ではないとの感を深くしています。
この国難を乗り越えるためには、国民全体が感染防止という目的のもとに、それぞれの立場でそれぞれのやれる役割をきちんと果たしつつ協力し合っていくことが一番重要なことではないかと思うのです。こと感染症に関しては、病気は自分だけの問題で他人は関係ないという理屈は通りません。他人を守るために自分も守らなければなりません。世上喧伝される「新しい生活様式」は、私のような世代にとっては正直どうしても違和感があります。しかし社会を守るためには、自分の趣味嗜好はある程度我慢しても、何とかこれになじんでいかなければならないのでしょう。
さて、個々人の立場でこういう努力をするのは当然として、当クラブとして何かやれることはないか、色々模索して参りました。その結果、理事会にもお諮りしたうえでの結論は、本県が設けている「新型コロナウイルス感染症対策寄附金」にクラブとして寄附することをご提案いたします。この受け皿は、宮城県が実施する各般の新感染症対策に要する財源の一部として、志ある法人、団体等からの寄附金を受納することを目的としています。これに対応し、当クラブとしても会員のご芳志により一定額を造成、寄附することを通し、かつて本県職員として社会にかかわってきた立場から、感染防止に向けた全県民的取組みの一翼を担いたいと考えます。
具体的には、近々発行する会報第169号に同封する払込取扱票により募金をお願いすることになります。なにとぞ本提案に対する皆様のご賛同とご協力を心からお願い申し上げます。

会長  小 林 伸 一 記