雑記帳第17回「明けない夜はない」


 勾当台クラブ会員の皆様、新年おめでとうございます。とはいえ、この新年を寿ぐ言葉にもなんとなく力が入らないというのが正直なところです。昨年は、わが人生最悪の1年でした。大方の皆さんも、多分それに近いのではないでしょうか。年初からコロナに振り回されて年が暮れました。この間にすっかり生活が変わりました。この先いくらかでも曙光が見えるならともかく、今はまだ闇に覆われた状態です。こうやってコロナを話題にするのも飽きてしまった感じですが、当分はじっと我慢の日々になるのでしょう。
 まあこんな悲観的なことばかり言っていてもしょうがないので、なんとか明るい話題を探してみましょう。まずは、昨年8月から9月にかけて、県が実施するコロナ対策事業の財源の一助とすべく、会員から浄財の拠出をいただき、その結果、想定を大幅に上回る1,400,000円を寄付することができました。県の歳出額全体から見れば、ほんの一部に過ぎない財源ではありますが、村井知事からも厚い感謝のお言葉をいただいたところであり、かつて県行政に携わった者としての心意気を示すことができたのではないかと思います。ぜひこれを県で有効に使っていただくことにより、いくらかでもコロナウィルスの撲滅に貢献できれば幸いに思う次第です。
 ガラッと話が変わりますが、NHKの朝の連続テレビ小説で、令和3年度前期分として宮城県を舞台とした物語が放映されます。県政だより1月号で紹介されていたように、主演は清原果耶さんという大変清楚な雰囲気に包まれたうら若き美女です。たしか平成の初めころにも本県に関係した作品があったなあと思い出して調べたところ、記憶が不正確で、平成16年度前期に放映された「天花」でした。当時私はまだ現職でしたから、全く見る時間がなかったのですが、今は殆ど毎日朝ドラを見ています。清原さんの可憐な姿が毎日見らそうで、今から大変楽しみにしています。
 この3月11日で、東日本大震災から10年の区切りを迎えます。個人的なことを言えば10年前のその日は県議会の開会中で、ちょうど所管委員会の審議が終わり、ちょっと一息入れていた時にあの大揺れが来ました。それからはてんやわんやで、1週間ほど県庁に泊まり込んだことが今でも鮮明に記憶に残っています。私の公務員としての最後の1年を復旧・復興対策に没頭して過ごしたことは、つらい思いを抱えつつも大変意義深い日々だったように思います。あれから10年経ち、まだまだ傷痕は残っていますが、国や全国各地からのご支援と県民各位のご努力によって概ね順調に復興が進んでいるようです。あの時の沿岸各地の廃墟のような惨状から、なんとかこうして未来を見通せる状態にまで立ち直ったことは、感慨一入のものがあります。みんなで力を合わせれば何とかなる、そう思わずにはいられません。ことわざに言う「明けない夜はない」です。コロナも同じはずです。みんなで前を向いて頑張っていくしかありません。

会長  小 林 伸 一 記