
気象庁は、令和8年3月1日、「太平洋側を中心に記録的な少雨に見舞われ、水道の利用が制限されるなど日々の生活に影響が及んでいる。このことから農業への打撃や山林火災の発生も懸念される。」と発表した。
仙台の降水量は、令和8年1月16日以降、31日連続で0ミリの記録的少雨となり、0.5ミリ以上の降水量の記録としては、観測開始から約100年で初めて1か月0ミリとなった。
気象台によるとこの原因は、西高東低の冬型の気圧配置の中、北西から湿った空気が入った影響で日本海側は大雪となり、一方で奥羽山脈を越えた太平洋側は、まとまった雪も降らず、空気が乾燥したことによるものであるとしている。
この少雨は、農業にも影響し、ブロッコリーの育ちが悪くキャベツなどは玉が小さいという。2月下旬の降雨でダムの貯水率は回復傾向にあるものの河川の取水制限を余儀なくされたところである。また、仙台市太白区郡山堰周辺の広瀬川では、5月8日にアユが大量に死んでいるのが見つかった。原因は水量の減少に伴う溶存酸素不足によると認められるとのことである。
一方、岩手県大槌町小鎚では、最大震度5強の揺れがあった4月20日から2日後の22日に、のり面から山林火災が発生し、住宅を含む建物5棟と山林に延焼した。
岩手県は、災害特別警戒本部を設置し、上空からの消火のため自衛隊に災害派遣を要請するが、大槌町小鎚地区から東へ10キロメートル離れた海沿いの吉里吉里地区でも山林火災が発生し、強風に加え山林が急斜面で消火活動が難航したところである。
消火活動は、4月27日からの降雨や夜通しの消火活動により、山林火災から8日目の4月29日住宅への延焼の危険性が低くなったとして終息し、住宅1,541世帯3,233人に出されていた避難指示が解徐された。焼失面積は、約1,633ヘクタールに及ぶ大規模山林火災であった。
山林火災は、昨年も大船度市で発生している。同市の昨年2月の降水量は、2.5ミリで、1963年の観測開始以降、最も少なく、3月4日まで15日間連続で乾燥注意報が出されている中の2月26日に山林火災が発生している。待望の降雨と懸命な消火活動により発生から13日目の3月10日に避難指示が解徐された。焼失面積は約2,900ヘクタール、避難指示の対象1,896世帯、4,596人に及んだ。建物被害は住宅76棟が全壊、住宅以外の建物108棟となっている。
このように、岩手県沿岸部の山林火災は、2年続きで発生し、東日本大震災の津波や火災で焼かれた街が再度山林火災で被災することとなった。
東北では、福島県喜多方市でも4月26日山林火災が発生し、焼失面積は40ヘクタールで178世帯458人に避難指示を発令されたところである。
国内の林野火災は近年年間1,000件前後で推移し、その原因は、2月~4月の乾燥や強風に加え、落ち葉が堆積し、火災が発生しやすくなるとされている。
予防対策としては、家の外の可燃物を中に入れることや、家への予防放水により延焼を防ぐこと。また情報を入手し続け、警戒してほしいとのことが肝要である。
副会長 武地 哲三
